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産業医は女医に向いている?企業が医者に求めるものってなに?

2018.01.31

労働者の心と体の健康を守る産業医

「産業医」とは職場で従業員が健康かつ快適に働けるよう、企業等と契約し、指導やアドバイスをする医師のことです。労働者数50名以上の事業者は、その規模に応じて産業医を選任し、労働者に対する健康管理等を行わせることが「労働安全衛生法」により義務付けられています。

産業医の仕事は、「産業保健や労働衛生などの専門的知識に通じ、労働者が健康で安心して働ける職場を作り、生産性の向上を図る」いう点で臨床医とは異なっています。主な職務は下記の通りです。

  • 健康診断
  • 健康診断に加え、ここから得られた結果を元に、「生活習慣の改善指導」や「本人や職場に対して働き方の改善」といった事後措置を行う。

  • 職場環境における健康リスクの原因調査や改善
  • 有害物質などによる健康へのリスクを調査。リスクが高いと判断された場合、事業者に対して指導や勧告をする。

  • 衛生教育
  • 幅広いテーマから、労働者に健康に関する教育を行う。

  • 職場の巡視
  • 毎月1回以上、職場の巡視を行い、労働者の働く環境や状況をチェック。たとえば残業の削減など、健康保全のために改善が必要であれば指導する。

近年、社会全般の変化に伴い、企業経営や働き方も多様化しています。そのため、「ストレスチェック制度」の導入など、産業医の業務は、ストレスや長時間労働によって生じる健康障害(過労死、メンタルヘルスなど)対策にまで波及。長時間労働者、高ストレス者に対しての面接指導も職務となっています。

合せて、産業医にまつわる「改正労働安全衛生法」についても、過去記事を参考にすると良いでしょう。

過去記事:産業医なら知っておくべき「改正労働安全衛生法」について

産業医に求められる資質と能力、女医適した理由

研修を修了すれば「産業医」になれますが、先述の通り、生理的なものから心理的問題まで産業医の対応すべき業務は多岐にわたり、その需要は増加傾向にあります。特にメンタルヘルスに対するサポートが求められているようです。
現状、企業が産業医に求めていることを挙げるならば、

  1. 従業員の健康状態の向上
  2. 残業の削減
  3. メンタルケア
  4. 過重労働の管理、改善

上記が基本的に企業側から求められることになります。

しかし、ただそれぞれに対する専門性が高ければ採用も有利というわけではありません。企業によっては社員の健康相談に気軽に乗ってくれる人当たりの良さ、相手の話をじっくり聞ける、コミュニケーション能力のある産業医も必要とされているのです。

また、産業医の働き方は、「結婚・出産しても仕事を続けたい」と考えている女医に向いています。というのも、企業の規模や業態、産業医が「専属」か「嘱託」によっても異なりますが、嘱託産業医の場合、企業への訪問は基本的に平日で月1回。1日で職場巡視や社員との面接、健康診断の事後措置を行います。さらに残業もないため、小さな子供がいても無理なく働くことが可能です。
また、介護休業・育児休業に伴って少しブランクがあるという場合にも、嘱託産業医から少しずつ業務に慣れていくということも検討できます。

とはいえ、企業と社員との間に立ち、公平な立場でアドバイスをする必要があるので、決して楽な仕事とはいえません。ただ、柔軟な対応力やコミュニケーション能力があるとすれば、女医が産業医をするというのは出産・子育てとの両立も考えた上で最適なのかもしれません。

また、女性社員の場合、男性の産業医には相談しにくいこともあります。その点、女医なら安心して話をすることもできるでしょう。

産業医を目指すなら専門エージェントに相談

 
産業医を目指す医師は増加傾向ですが、実際の採用はそれほど多くありません。そのため「資格を取っても、仕事が決まらない」という医師も少なくないようです。産業医への転職を考えているのであれば、専門のエージェントに相談してみてはいかがでしょう。アイディー・サポートでは産業医をはじめ、その他科目に関する医者の転職相談を行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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