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美容外科ってなぜ儲かる?その理由と実態に迫る!

2017.08.19

平均年収が1500万円前後(勤務医)、高収入職業で知られる医師の中でも、さらに高額所得を手にしているとされるのが美容外科医です。

その年収は4000〜5000万円で、かなり儲かる診療科目ではありますが、一方では、「健康な身体にメスを入れる」「もともと必要のない医療行為である」「宣伝や広告が目立つ」ため、美容関連医を一段下に見る医師、うさん臭く感じる人がいることも否めません。

とはいうものの、収入の高さを理由に、美容外科を志す、独立開業を目指す医師は増加傾向にあります。今回は「美容外科はどうして儲かるのか」を中心に、特徴や周辺事情を紹介していきます。

「美容外科」が儲かる主な理由

美容外科がどうして儲かるのでしょう? それにはいくつかの理由があります。

まずいえることは、メスを使わないプチ整形などの登場と普及で、以前のように「病気でもないのに医療行為を行う」美容整形に対する抵抗が減少したことが考えられます。これに伴い、美容医療の需要が高まり、美容外科医を選択する研修医、美容クリニックも増加。評判の高い人気クリニックには10代から30代をコアに、上は80歳以上の人も施術を受けるなど、数多くの患者が足を運んでいます。

整形
出典:http://www.takasu.co.jp/topics/column/beauty/37.html

利用者が増えたことに加え、美容外科が儲かるのは、「自由診療」である点が大きいといえます。自由診療とは「保険が適用されない診療」のことをいい、たとえば、厚生労働省において未承認の治療や薬を使うと自由診療となり、治療費は全て患者の自己負担となります。一方の「保険診療」は、公的健康保険が適用(診療料金の7割が保険で支払われる)されるため、患者の負担は3割ですみます(ただし、小学校就学~70歳未満)。

自由診療の代表的な診療・治療には、美容外科全般、アンチエイジング医療、レーシック(視力矯正)、審美歯科などがあります。レーザー治療、プラセンタ療法、ダイエット外来、ケミカルピーリング、脱毛、メディカルエステほか、美容クリニックで行われている各種治療も自由診療です。患者が全額負担する自由診療の導入は、単に儲かるというだけでなく、多様化する来院者のニーズに応えることにもなります。

美容外科医が儲かるもうひとつの理由は、「独立した開業医」だからです。開業医はクリニックの社長というケースも多いので、先述したように年収5000万円前後と、当然収入も多くなります。美容外科の勤務医も、それなりの給与が期待できますが、開業医ほど高くはなりません。

美容外科の開業状況と主な特徴

前項でも説明したように、美容外科医の多くは独立し、自分のクリニックを持っています。ただ、学校を出てからしばらくの間は大手の美容系クリニックに勤め、研鑽を積んだのちに開業する人が多いようです。

また、形成外科や整形外科の診療科目において、教授のポストが飽和傾向にあり、大学の医局にいても出世の見込みが少ないという人も、経験やノウハウを活かして開業を目指すといいます。他にも美容ブームで、既存クリニックのチェーン店、新規の病院も増加するといった状況もあり、美容外科は参入しやすい診療科目とされています。

次に美容外科を開業新規し、成功するために必要なのは、 外食企業やコンビニ同様、店舗のチェーン化を行うことでしょう。これらのビジネスは1店舗あたりの売り上げが頭打ちになりやすく、利益をあげようとするなら、とにかく店舗を増やす方法が簡単だからです。さらに店舗を増やすことで、売れている店とそうでない店がわかります。ここで売れている店だけを残せばよいわけです。

またチェーン化によって、広告費を各店舗に分散すれば、費用対効果があがるなどのメリットもあるため、成功しているクリニックは各地に支店を増やしているのです。

チェーン化に加え、人気の高いクリニックは自社ブランディング(商品やサービスなどで、他社とはっきり差別化できるイメージ、信頼感や高級感などをつくりあげること)にも長けています。美容外科の患者は、ほとんどが女性。「良い医学部出身の先生」がいれば「安心・安全」、「スタッフにイケメン、美女が多い」なら「ドクターの腕は確か」「私もあんな風になれるかも」といった噂や評判が立ち、それが確かであれば、クリニックのブランド・イメージになっていきます。

美容クリニックをブランディングをする上で、避けたいのは、安売りや低価格戦略です。たとえばいくらプチ整形だとはいえ、あまりに価格が安いと患者は「低レベル」なのではと疑い、不安に思うようです。

また、美容外科のキャリアを積みたい、そのためのクリニックを探したいという方は良いクリニックの選び方についての過去記事をご参考にすると良いでしょう。

過去記事:美容外科医師の転職 良いクリニックを見分けるためのコツは◯◯

美容外科を選ぶならリスクも考えて

独立・開業したからとはいえ、誰もがすぐに大手美容クリニックのように、高い知名度を得られるわけではありません。また身体にメスを入れれば、何らかの危険が伴いますし、「施術自体は成功しても、患者が気に入らないといえば失敗になる」など、 美容外科にはどうしても訴訟リスクが付きまといます。
加えて既存の有力なクリニックを始め、特に都市部は競争率が高く、中には開業しても患者が集まらず、破産宣告をした人もいるので注意が必要です

とはいえ、キャリアの一つとして考えることに問題はありません。開業しなくても、美容外科の勤務医として働き、高収入を得ることは可能です。現場を知り、体感することで得られる気づきもあるでしょう。美容外科の求人について気になることがあればアイディー・サポートまで。美容外科の求人に限らず、医師の独立・開業の支援も行っていますので気軽にご相談ください。

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