遠隔医療って実際どう?その活用事例やメリットについて

「遠隔医療」の基本と得られるメリット
「遠隔医療(テレメディスン)」とは、患者と医師、医師同士医、療機関同士など、遠隔地にいる者の間をインターネットなどで結び、電子カルテ、画像といった情報を交換しながら診断、診療、指示などを行う医療行為です。近年は医療行為のほかに、保健や福祉、介護、健康情報も取り扱われています。遠隔医療によって得られるメリットには、以下のようなものがあります。
- 1,へき地や離島に住む人が、病院へ行かなくても診察を受けられる
- 2,高齢者など、通院の難しい人への在宅診療が可能
- 3,遠方にいても情報交換できるため、専門医の不足を補える
- 4,こまめな診療により、病気の早期発見につながる
- 5,医療費が安くなる、病院に通う交通費負担が少なくなる
- 6,患者の異変や容態の変化をすぐに知らせることが可能になる
- 7,専門医の診断やアドバイスが受けられる
- 8,病理の迅速な診断が可能になる
なお、これまで遠隔診療は、へき地や離島の患者を中心に運用されてきました。現在は、次のようなさまざまなタイプがあります。
- 遠隔相談
- 遠隔医療診断
- 見守り
- 遠隔診療
:医師などが遠隔地、在宅の患者に対し、医療・健康に関連する相談を行うこと。診察や治療を行うものではなく、一般的な健康相談に対してアドバイスを提供する。
:個人と医療施設、医療機関同士でデータを共有し、医療診断を行う。専門家のアドバイスを受けやすくなるというメリットも。
:遠隔システムを使い、患者を見守ることで容態の急変などがあっても、迅速な処置が可能。また離れて暮らす子供が、老親の健康チェックもできる。
:遠隔地の患者に対し、電子カルテや画像などを、医師が診察・治療などを提供する。なお、例外ではありますが一部の先進的な医療施設では、機器を遠隔操作して外科手術などを行う「遠隔治療」を導入しているケースもあります。
遠隔医療の活用事例
遠隔医療は、多くの現場で活用されています。主な事例を紹介しましょう。
・地域の診療所と都市の病院をネットワークでつなぎ、画像による遠隔診断を行うことで、早期の画像診断が可能となっている。さらに専門医が診療所の医師に指示して診察を行う、在宅の患者を訪問する看護師に指導するなどのケースもあり。
・高齢患者が家庭で行った血圧/心電図の測定結果を、自動的に保健センターのサーバーに蓄積。保健師がデータをチェックし、問題があれば、電話や訪問をして健康状態を確認することで、リスク回避や早期発見、通院回数の減少などに繋がっている。
・山間部などの僻地において、救急搬送時、患者の容態や住居から、どの病院、どの診療科、最適かを自動判定し、搬送するシステムを利用。
このように遠隔医療はあらゆる場面で導入されつつあり、法整備もあって、今後もさらに幅広く活用されるのではないでしょうか。
遠隔診療のデメリットと「課題」
ただ、遠隔医療もまだまだ現状の課題があることは否定できません。下記のような課題があります。
- 直接患者に触れる触診や聴診器による聴診ができないので、病気の診断が不十分な場合がある。
- 画像や画像の提供はあっても、データの欠損、モニターが不明瞭だった場合、症状を見落とす可能性がある。
- インターネットを用いるため、何らかの通信トラブル・セキュリティの脆弱性を突かれることによって個人情報が漏れるリスクがある。また、電子カルテなどのデータを勝手に持ち出される、盗難されるなどのケースも考えられる。
- 遠方にいる医師の指示は受けられるが、それに対応する現地スタッフ(看護師や介護士ほか)の確保が必要。エリアによっては人員が足りないこともある。
これらは、遠隔医療が克服すべき今後の課題だといえるでしょう。アイディー・サポートでは、遠隔医療の検討をしている方には遠隔診断の導入、一方で医者の求人についてのご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。