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年々増加しつつある医療訴訟 あなたは対応できてる?

2016.10.14

医療訴訟の増えてきた背景とは

医療事故は立証が難しい上に勝率が極めて低く、訴訟事件より敷居が高いとされていた医療訴訟ですが、現在は事情が変わってきています。医療訴訟の件数は徐々に増えてきており、平成7年には年間484件だったものが平成16年には1,110と倍以上の伸びをみせているのはご存知ですか?

裁判になったケースだけでこの数字であり、相談だけなら患者の5%から10%は訴訟を考えているともいわれています。

ここ10年は横ばい傾向が続いていますが、こんなにも急に医療訴訟が増えた原因は明確です。その1つに、インターネットの発達が挙げられます。スマホやパソコンで誰でも簡単にプロ並みの情報を手に入れることができ、医療に強い弁護士に連絡を付けられるようになったことで敷居がグンと下がりました。

また、医学の発達により選択肢の拡充されるのはいいことですが、合併症や副作用の発生確率も高まっておりリスクが上がっていることも原因といえるでしょう。

医療訴訟に発展したらどう対応すべき?

ないに越したことはありませんが、医療訴訟が起きてしまったら初動が肝心です。訴訟大国アメリカでは医療を回避するために「患者とのコミュニケーションを怠らない、慎重に言葉を選ぶ、何事も書面にしておく」といった対応がマニュアル化されています。

対応や記録等する際の注意点としては、患者側から事故だといわれないために重要事項は数回しっかりと説明し、書面など記録を残すことを重視しています。日本の病院でも、医療訴訟は説明義務違反で揉めることが多いのでその辺の対応しっかりしておきましょう。

さらに、まずは保険会社に連絡する、過失のあるなしによって対応を分けるなどの初動対応のマニュアル化を進める必要があります。また、同じくクレームも増えていますが、病院側に過失や落ち度がない限り取り合う必要はありません。訴訟もクレームも明らかに過失がある場合は、早い段階で示談を提示し、訴訟に発展させないようリスクを回避することも大切です。

医療訴訟に備えよう

平成27年から医療事故調査制度が始まり、社会の関心も高まっている時期です。高額になりがちな医療過誤の賠償を負わないよう正当な医療行為が第一!
訴訟提起されないことが最良の防止策として日々の業務で常に気持ちを引き締め取り組みましょう。