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僻地医療にみる課題と地方で働く医者のキャリアを考えてみよう

2018.02.07

「僻地医療」に求められるもの

僻地とは、山間地や離島など、都会から遠く離れた交通不便な土地のことです。そのため医療の確保が困難であり、中には医療機関のない「無医地区」(「へき地保健医療対策等実施要綱(厚生労働省)」によると、当該地区の中心的な場所を起点としておおむね半径4キロメートルの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区)と呼ばれる地域も存在します。

このようなエリアで、僻地診療所や小さな病院によって行われているのが「僻地医療」です。とはいえ、施設も機器も十分とはいえない環境のため、医師の派遣、専門医による巡回診療、ドクターヘリ出動など、他病院との連携が欠かせない状況にあります。

また、専門科に分かれて診療する都市部の病院とは違い、少数の医師、時にはひとりの医師が、風邪、骨折、子供の病気といった、症状を訴える多くの患者を診察しなくてはなりません。ですから内科・外科・眼科・小児科など、様ざまな診療科目に対応できる「プライマリケア」が必要となり、当然、僻地医療では医師の総合的な能力や知識が求められます。

僻地医療の「現状と対策」

厚生労働省では、昭和31年以来、おおむね5年ごとに11次にわたる「へき地保健医療計画」をたて、僻地診療所における住民への医療提供をはじめ、その地区の実情により、様ざまな施策を講じてきました。

日本全体が少子高齢化しつつある中、僻地では超高齢化、人口減少が進んでいます。地域の病院では医師、看護師が不足。地域の診療所においても、医師の高齢化、後継者の不在などから、常勤医師の確保は難しい状況となっています。

直近の「第11次計画(平成23年度~平成27年度)」では、より広域的に都道府県単位でのへき地対策を目指し、「都道府県単位でへき地医療支援機構を設置。広域的なへき地医療支援事業の企画・調整等を行う」「へき地医療拠点病院を設け、へき地診療所への医師派遣、無医地区等を対象とした巡回診療の実施」「無医地区において診療所を整備、地域住民の医療確保を図る」「無医地区などへき地保健指導所を整備。住民に対する保健指導を行う」「無医地区などへ、へき地巡回診療車(船・ヘリ)を用いた巡回診療を実施」「患者輸送車(艇)を整備し、へき地の患者を最寄りの医療機関まで輸送」といった僻地対策を講じています。

僻地で働くことのやりがいとキャリア

様ざまな取り組みが行われているとはいえ、僻地医療の現場にはまだまだ問題が山積しているといえます。そんな中、「プライマリケア」や「地域医療を充実させる施策の企画」といった、地域での仕事にやりがいを感じ、スキルを磨くというキャリアを選ぶ医師もいます。

また、地方の医療は裁量も大きいため、自身のやりたい医療、キャリアを描くには得と考える医師もいます。「大きな病院で臨床スキルを身に付ける」「大学病院で教授を目指す」だけが、医師としての確かなキャリアを築けるわけではありません。アイディー・サポートでは地方のクリニックや医院の求人をご用意しています。お気軽にご相談ください。

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参考サイト:厚生労働省