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カンボジアでは許容されている?無免許医師と医師法について

2016.12.21

医師法の範囲

「医師免許を持たないのに治療をしていた。」なんてニセ医師事件、結構あったりします。ご存知の通り、医師として活動するための規定は医師法によって厳格に定められており、それ以外の人が医療行為を行うことはできません。未成年や成年被後見人は医師になれない、診療録の保存などいくつもの規定があり、もちろん罰則規定も設けられています。

その罰則規定は具体的に幾つかあげると医師試験・予備試験について問題・答案を故意に漏らした場合や、不正採点をしてしまった場合の罰則も規定しています。また、当然ながら自らが診療せずに処方箋、診断書の交付をしたり、出生に立ち会ってもいないのに出生証明書を勝手に交付してしまった場合に関しても50万以下の罰金が科せられます。50万以下とはいえ、軽んじていると自身のキャリアに傷がついてしまうので今一度、医師法に触れておくと良いでしょう。

医師法と緊急避難

稀有な例ですが、もし緊急事態が起き、自身がその場に居ない、またはどうしても自身で医療行為を施すことができない!そんな時、無免許の者に指示をしながら「医療行為」をする必要があった場合はどうなるのでしょうか?よくドラマとかに出てくるような離島で一刻を争う事態になるとか、飛行機で急患と遭遇なんてことも現実にないとは言い切れません。ごく普通の一般の方ではかなり難しいかもしれませんが、看護師などであれば多少の知識がある場合も。

しかし、前述の通り、基本的には医師法に反する行為であり、医師免許を持たずに医療行為をすれば処罰の対象となってしまいます。ただし、刑法37条の「緊急避難」に該当する場合なのであれば、例外的にではありますが、その行為を認める判例もないわけではありません。どんな場合でも、医療行為は常に最善の策を講じていかなければなりません。もしそういった機会が訪れても、慌てずに指示や対処をしましょう。

カンボジアでの無免許医師

一方で、医師免許どころか正式な訓練すら受けたことのない「医者」が活躍する国があるのはご存知でしょうか?カンボジアでは公的な医療センターでは質の高い治療は期待できないため、安くて質の高い医療を提供する「無免許医師」に需要がある状況です。カンボジアが近隣諸国と比べ、医療分野がひどくなった原因となったのは、ポル・ポト政権下で知識層(医者など)が武力によって弾圧されてしまったためなのです。

現在もその傷が癒えることなく、医師不足が続いているのが現状。ここでも無免許の医師は処罰の対象ですが、一概に全て罰して良いのでしょうか?もちろん、日本では違法なので取り締まられるべきですが、資格をもっているからとあぐらをかかずに、知識やコミュニケーション能力の拡充に取り組み、良い医療行為を提供していきましょう。