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開業医のための税金対策、何が経費?どこまでが経費?

2017.10.31

「経費になるかどうかの線引き」はどこに

医院を開業、運営をしていく中で、税金対策は気になるところでしょう。その中でも、「経費として、何がどこまで認められるのかの判断」は難しいところです。基本的には「事業(この場合は医療)に関係しているもの」が経費として認められますが、個人、医療法人とでは異なるケースもあります。

たとえば、交際費を例に取ると、個人医院・クリニックの場合、医院・クリニック経営に関連したものであれば、全額、交際費として認められます。

一方、医療法人の場合、期末の出資金または資本金の額が1億円以下である法人は、年間800万円までの交際費が損金として認められます。

また、その額が1億円を超える法人は、交際費の50%に相当する金額が損金となります。損金に計上することで税金を抑えることが可能です。

ただし、個人の場合は自宅と医院が同じ建物、また隣接しているなど、公私が密接していることで、税務署からチェックが入ることもあるようです。そのため交際費や車の購入代などにおいて、「収入を得るために必要な支出」であるかどうかの見極めが厳しくなります。

その点、法人であれば、原則的に「支出はまず経費」と判断され、知り合いの医師と経営のことを話し合うための食事会、医師同士、業者、医師会のコンペなどのゴルフは経費として通る可能性があります。とはいえ、月に何度も行くような場合で認められるのは難しいです。また車も法人、事業で関連するものであれば全額経費になります。

節税に役立つ、経費計上可能な支出項目について

交際費のほかに、経費として計上できる支出があり、それは節税にも役立ちます。主なものを紹介しましょう。

  • 人件費
  • :病院の経費の中で、最も大きな割合を占めます。(おおよそ全体の5割)ただし、あまり多すぎると経営のバランスが崩れてしまうので注意が必要です。

  • 設備費
  • :開業前はもちろん、設備投資にかかった費用は固定資産として計上、減価償却計算によって経費処理します。開業後に購入したものについても同様です。

  • 消耗品費
  • :筆記用品をはじめとする文房具やコピー用紙などは経費として認められます。

  • 福利厚生費
  • :スタッフに対する社会保険や労働保険の病院・クリニック負担分、スタッフとの飲食代、スポーツジムといった施設利用の会費、忘年会の費用、さらにスタッフの結婚祝い金なども経費になります。

開業したら支出には目を光らせよう

「これは経費になるのかな」と思ったら、とりあえず領収書や明細書、納品書を取っておくようにしておくことがおすすめです。納品書については、サービス等を受けたことを確認できる資料になるので実は大事です。

また、一見プライベートな支出に感じるものでも事業に関係し、経費に計上できるケースもあります。たとえば、学会出席、講演をするためにスーツを買ったのであれば、事業に関連するものとして経費として認められる場合があるからです。

このように経費をこまめにチェックすることは節税に繋がりますので、普段からチェックするようにし、税理士に相談してみましょう。

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